「梨加……。」 「愁には、伊藤さんがいるでしょ…? わたしなんかが行ったら――……」 「梨加ちゃんじゃなくちゃダメなんだよ!」 突然、大きな声を出した佑樹くんに目を見開く。 教室でこの状況を見ていた人たちもみんな、驚いて佑樹くんを見た。 「愁には言うな。って言われてたけど…」 少し、俯いて迷う素振りをみせる佑樹くん。 けれどすぐに、意を決したように、顔をあげた。 「愁はね――……、」