ボンッと胸の前に抱えていた体操着が音を立てて床に落ちた。
頭が真っ白で。
ただ呆然と2人を見てるしかできない。
体操着が落ちた瞬間、愁がバッとこちらに振り返った。
そして、わたしの姿を確認すると、大きく目を見開いた。
「梨加………っ?」
愁の声に反応して、わたしは我に返る。
「あ………」
かすれた声がのどから漏れて。
それと同時にすーっと涙が頬をつたった。
わたしは、遊びだったんだ…。
好きって言ってくれたのも、助けてくれたのも、全部全部ただGAMEに勝つため。
わたし、なにを期待してたの?
心の中で必死に問いかけて。
わたしは、教室を飛び出した。