「梨加ちゃん、さっき伊藤さんたちと体育倉庫のほうに走っていかなかった?」 女の言葉に、ああ〜!と他の女も思い出した素振りを見せる。 「梨加ちゃん、体育倉庫のほうに走っていったよなんか、切羽詰まった様子だったけど…。」 切羽詰まった、? 「教えてくれてありがとう」 教えてくれた女たちに笑顔でお礼を言って、 俺は体育倉庫のほうへと走りだした。 梨加に何もないことを願いながら。