走りながら、制服のブレザーのポケットに入っている携帯を取り出す。 そして、梨加の名前をタッチして耳に押し当てた。 ――プルルルル 機械音が聞こえるだけで、一向に出る気配がない。 梨加、どこにいんだよ……。 梨加に何かあったら。と考えると、不安で、 心配でおかしくなる。 乱暴に電話を切って、ブレザーのポケットに押し込んだ。 体育館に続く廊下を曲がろうとしたとき。 「きゃっ!王子!?」 同じクラスの女子3人にぶつかりそうになって、足を止めた。