ツーツーと電話が切れた音がしたあと、はぁ。と溜息をついた。




「母さん?」



そんなわたしを心配そうに見つめる愁。




「うん…。ごめんね…わたし、行かなきゃ…」




愁を見上げながら謝ると、「わかった。今日はありがとな」と優しく笑いながら、頭を撫でてくれた。




「わたしこそ、ありがとう。ネックレス、大切にするね」



「ふっ。なくしたら、承知しねーかんな?」



「なくさないもんねー!」