「それじゃ、いってきまーす」



「気をつけてね〜」




お母さんと梨奈姉に見送られて外に出る。



お母さんに愁とデートってバレたら大変なことになるからね。




玄関を出て、表札の隣の壁に寄りかかりながら愁を待つ。




「まだあと、10分くらいあるかな……。」



スマホをポケットから取り出して時間を確認すると、まだ時間はあって。



スマホをポケットにしまいながらキョロキョロと周りを見ると、



「梨加っ!」



そんな声と共に愁が軽く手を上げながらこっちに走ってきた。