さっさと終わらせて帰ろう。 心の中で気合いを入れて教室をはきはじめた。 ********* 「終わったね」 「そうですね」 優しく笑う彼に真顔で返事をするわたし。 他の女子はみんなこの笑顔にころっといっちゃうみたいだけど、わたしはそんなことありえない。 「あ、わたし日誌書いとくから伊沢くんは もう帰っていいよ」 教卓に置いてあった学級日誌を手に取り 自分の机に向かいながら伊沢愁に伝える。