誰がどう見てもイケメンの部類に入る彼ならば、もっと可愛く綺麗な女の子だって手に入れらるだろうに。
そんな気持ちから、さっきの呟きが漏れたんだ。
「そんなことないよ。俺は最高の女だと思ってる」
朝倉くんは至って真面目な顔でそんなことを言う。
今度は照れから顔が赤くなった。
どう反応していいかわからない。
「でも、触れられないのは誤算だったな…。なあ、なんで蕁麻疹出るのか、聞いてもいい?」
「嫌」
あたしは即答した。
その理由を話そうと思ったら、蕁麻疹の原因となったあの男のことも話さなきゃいけない。
「思い出したくないの」
自分に言い聞かせるように呟いた。



