四月の魚 〜溺れる恋心〜【短編】


「で、鮎川と一緒に学級委員やってたらさ、鮎川がいかに俺の顔に興味ないかわかってさ。そういうところも面白かったんだ。でも…」


朝倉くんが前に立つあたしの手を掴んだ。


「そのままじゃいつまで経っても俺は恋愛対象外だから、いい加減、俺のこともみてほしい」

「あたし…」


胸がドキドキする。


「好きとかそういうのはまだよくわからないけど、朝倉くんのこと嫌いじゃないよ」


むしろ、あたしのこと庇ってくれたし、彼のことをいい男と言うんじゃないだろうか。

そんな人に好かれてるなんて、あたしってもしかして幸せ者じゃない?


「今はこのままお付き合い続けてみたいって思ってる。よろしくね」



あたしも朝倉くんの手を握り返した。