四月の魚 〜溺れる恋心〜【短編】


「…なんでこのタイミングで訊くかなあ?」

「聞いちゃいけなかった?」

でも、一番気になることなんだけどな。


「話すと、俺の情けないところが浮き彫りになる気がする」

「えっと…?」

それは、あたしのこと好きだから、情けないところは見せたくないとかそういう…?


なんでだろう。

頬にキスされるよりも恥ずかしくて、こそばゆい。


「入学したばっかのころだよ」


そう言いながら朝倉くんは立ち上がり、ベンチに戻った。

そのあとに続く。


「学級委員を決める時に誰も立候補者がいなくて、俺が先生に推薦されたんだ」

「そうだったね」


「俺さ、正直めんどうだし、嫌だった。でも、そう言えなくて、笑って引き受けようとしたんだ。そしたら、鮎川が言ってくれただろ?」

自分のことなのに思い出せなくて、あたしは首をかしげた。


「笑ってないで嫌なら断れって鮎川が言ったんだよ」