四月の魚 〜溺れる恋心〜【短編】


朝倉くんは真剣な目であたしを見た。

その姿に何も言えなくなって、ただ、首を縦に動かした。


ゆっくりと伸ばした朝倉くんの手があたしの肩に触れる。

唇が近づいてくる。


あのエイプリルフールの日のやり直しみたいだ…。


朝倉くんの唇は、あたしの頬にそっと触れた。


あの日は温かかったのに、今日は冷たい。

もしかして、緊張してる?


唇はすぐに離れて、彼はあたしの肩に手を置いたまま、あたしを見つめ続けた。

あたしも目をそらせない。



蕁麻疹は出なかった。



「ねえ」

言葉が自然と滑り出た。


「どうしてあたしのこと好きなの?」

そう聞いた途端に、朝倉くんの膝が崩れ落ちた。


「え、え?」

どうしたのかわからず困惑してしまう。


朝倉くんは左手を地面について、右手で顔を覆っていた。