「長野くんのおかげだよ。あなたから、顔がいいから中身もいいとは限らないと学んだ。だから、今はちゃんと中身を大事にしてる。
朝倉くんは長野くんと違って、顔だけじゃなく、中身もいい男だからそばにいるのよ」
「鮎川、言うようになったなぁ」
長野くんがなぜか笑った。
「あの時のおまえが今のおまえだったら好きになってたかもな」
「どういう…意味?」
「いい女だよってことじゃない?」
朝倉君が長野くんの代わりに答えた。
「まあな。あの時は俺もひどいこと言いすぎた。教室で好き勝手言って、その時に去ってく足音に気付いて廊下出たらおまえの背中見えてさ。聞いてたんだろ?」
あたしは目を見開きながら頷いた。
「あたし、今ビックリしてる。人のことデブだブスだって言うから、長野くんって性格がめちゃめちゃ悪かったんだって思ってたのに、そんな風に謝るなんて」
「あの頃は、話したこともないヤツに告白されることが多くてさ。女なんて男の顔しか見てないのかとイラついてたんだよ」
長野くんは頭をガシガシかきながら言った。



