「ごめんなさいね。デートって聞いてたんだけど、まさか倫に彼女ができたなんて思わなくて、嘘だと思っちゃったの」
「そうなのよ。それで、いつものように倫を無理やり捕まえて、こういうカッコさせちゃってね」
澪さん、幸さんの言葉に、視線を朝倉くんから前へと戻した。
「でも、朝倉くんだったら彼女いない方が不思議だと思うんですけど…」
どうして彼女ができたと思わないんだろう?
すると、お姉さんたちは二人、顔を見合わせて苦笑した。
「あたし達がこんな風に化粧したり女の服着せたりで遊んじゃうからね。倫ってすっかり女が苦手になってるのよ」
「ええっ、そうなんですか!?」
普段の朝倉くんにはそんなそぶりがなかったので驚いた。
「でも、あたしより綺麗で可愛いし、似合ってるんだから、もっと自信もてばいいのに」
あたしよりも長いなって思っていた睫はマスカラでさらに長くなっているし、
肌荒れ一つない綺麗な肌には綺麗にファンデが馴染み、目の印象もアイカラーでいつもより強くなっている。
男なのに、すごく羨ましい。
すると、朝倉くんは鋭い眼差しと低い声をあたしに向けた。
「あのな、好きな子に可愛いなんて言われても嬉しくないんだからな」



