四月の魚 〜溺れる恋心〜【短編】


やっぱり彼も長野くんとそう変わらない人だってってことなのかな。


一人で待ちぼうけしていると、マイナスなことばかり考えてしまう。


だけど。


そうやって、本人に確認せずに諦めていいんだろうか。

もしかしたら、途中で事故にあって連絡できないだけって可能性もあるし、彼が信用できないひどい人だとはまだ限らないよね。


あの時は一人泣き寝入りをした。

そんな自分が嫌だった。


もう同じ後悔はしたくないんだ。

そう決めると、あたしは柚子に電話をした。


*****


それから30分後。


あたしはとある一軒家を見上げていた。

表札には朝倉の文字。


そう、朝倉くんの家だ。

さっきの柚子への電話は、朝倉くんの家を知らないか問い合わせたんだ。


柚子は知らなかったんだけど、朝倉くんと同じ小学校出身の子に聞いて、メールで住所や行き方を教えてくれた。


あたしはゴクッとつばを飲み込んだ。

勇気を出してチャイムを押す。