四月の魚 〜溺れる恋心〜【短編】


好きでもないのに、このまま付き合っていていいんだろうか。

彼の気持ちを一方的に受け入れてもいいものなんだろか。


彼氏いない歴イコール年齢の、恋愛スキル皆無のあたしに朝倉くんはハードルが高すぎて、何がなんだかわからない…。


それに、朝倉くんは信用してもいいんだろうか。

アイツのような男ではないと思うけど…。


朝倉くんがあたしに向ける気持ちに、嘘はないと信じたい。

そう思っている自分がいることに気付いた。


*****


二日後。

あたしは朝倉くんと待ち合わせた駅の改札で一人、彼を待っていた。


遅い…。

待ち合わせの時間は11時。


だけど、携帯で時間を確認すると、すでに11時15分になっている。


携帯電話は繋がらないし、メールを送っても返事なし。


モヤモヤと不安にかられる。

あたし、また人の本質を見抜けなかったんだろうか…。


彼は、あたしを好きだと嘘をついていたのかな。

あたしをからかっていたの——…?


アイツの笑い声が脳裏に響いた気がした。