四月の魚 〜溺れる恋心〜【短編】


『だよね。クラスでも男では俺が一番よくしゃべるのかなと思ってた。でも、中学時代とかは知らないしさ…』

「ちゅ…中学でもそんなに男子とは親しくしてないから…」


これって、マジで嫉妬だよね!?

男子にこういう反応されたのが初めてで、なんだか照れくさくて、どういう風に返していいかわからなくてモジモジしてしまう。


「それで、昼間もあったのにどういう用で電話を…!?」

『用がなきゃ電話しちゃいけないのか?』

「へ?」


『カレカノになったんだから、普通、用事なくても電話するだろう。毎日でも電話したい』


甘い囁きが鼓膜をくすぐる。

朝倉くんってこんな人だったっけ?

彼氏として初めて見る一面にあたしは戸惑った。


すると、電話越しに彼がクスッと笑った。

『まあ、でも、今日は用事があるんだ。明後日空いてる?せっかくだから新学期が始まる前にデートしようよ』


「で、デート!?」