「ただいまぁ! おとーん!」



「なんや?」



「あんなぁ! 今日なぁ! カッパァがなぁ真横に来てなぁ! 話してん! いや、俺が一人でやったけど! でもなぁ!
話してん!」



「秀樹、落ち着け。ゆっくりでええから」



「おう……あんなぁ! 今日なぁ!」



「秀樹……分かったから。河童様と話したのか?」



「せやねん! 横に座ってん!」



「そうかそうか。河童様が近付いてくるとはなぁ。珍しいこともあるもんや」



「そしたらな! めっーちゃデカイカッパァが2匹出てきてん! びびったわ」


「大きい河童様やと?」



「そうやねん! たぶんあいつの親ちゃうかなぁ!
一匹は片方の手が無かったように見えたけど……」




「片手が…………」



「そうやねん。そう見えたけどなぁ。
どうしたん?おとん?」



「そっか……
そっか……片手がなかったんか……
生きてたんやな……」



そうポツリと呟くと政吉は、静かに話し出した。