カッパァ華

「なぁ、お前名前は?」



「…………」



「俺が話すことわかるか?」



「…………」



「わからんよな……やっぱり……
まぁいいや」



河童を前にして、まるで友達のように話し出している秀樹がそこにはいた。



「お前、池の中に家があるんだって?
おとんから聞いたわ。寒くないんか?
あ。甲羅あるから温かいんか?
その甲羅って重くないんか?

んっと……お前何歳?」



一人で話すことも慣れ初めていた。



「なぁ、お前泳ぎ得意なんだろ?
やっぱり平泳ぎするんか?
その手すごいな。カエルみたいやな。
やっぱりカエル食うたらそうなるんか?

あ…………」



秀樹は河童の手を見ていた時、手に釣り針が刺さっているのを見つけたのだ。



「あ。その針……もしかして、あのとき武志の竿からカエル取った時のか?
ごめん……痛いだろ……」



ゆっくり座ったまま、ジワリジワリと秀樹は河童に近付いて行った。