「おーい! 秀樹、そろそろ帰るぞ」



政吉は秀樹を見つけると、盆踊りの音楽に負けじと大きな声で叫んでいた。



「わかったぁ!」



二人は家までの帰り道、カエルの合唱を耳にしながら歩いていたのだ。



「ここには、まだまだいっぱいカエルおるな!」



「あぁ。お父さんの子供のころも、ここでよくカエルの鳴き声は聞こえてたわ」



「カエルはこんなにおるのに、なんでカッパァは少ないんやろ」



秀樹は明日の朝に取りに行く、河童のご飯を考えながら呟いていた。