カッパァ華

「あ! 武志や!」



バツが悪そうにしていた秀樹の目には、武志というその場だけの救世主が見えていた。



「おーい! 武志! こっち来いや!」



「あ。秀くん」



武志にとっては、また泣かされるのではないかという、破壊者に見えていただろうが。



「夜に学校来るとか、めったにないもんな!
みんな集めて夜の保健室とか探検しようや!」



武志の予想は見事に的中し、夏の季節が一気に冬に変わったかのような寒さが、武志の心には吹き荒れていた。