カッパァ華

「ふぅ……やっとテレビ終わったわ……
あー、怖かったぁ!」



「秀樹、庭の華に水やりするから、手伝ってくれ」



「分かった! じゃあばあさんに一等の人形を五等にするようにお願いしといてな」



どうしても宇宙人の人形が欲しくて仕方のない秀樹が、無理難題を話していた。



一足先に庭に出ていた政吉は、華に水をやり始めていた。



そのホースの先からでる水は、太陽の光に反射し、美しい虹が弧を描く。



庭には、たくさんの華が咲き誇り優しく見守るように、秀樹たちの家を見つめている。



街での生活とは違い、こうした自然の中の暮らしに秀樹の心は自然と優しく成長をしていっていたのだ。