カッパァ華

「なぁ、座敷わらしってほんまにおるんかなぁ?
ただの俺らみたいな小さい子が、着物を着てるだけじゃないんか?」



「さぁな。おるか、おらんかはお父さんにもわからんわ。
ただな、人の噂話を信じこむと大事なものをみすみす失うかもしれんぞ」



「どういうこと?」



「そうやなぁ、例えば、
お前が好きな子がいたとするやろ?」



「いないわぁ! そんなんいないしな」



「例えばや……そんなに必死になって否定せんでもいいやろ……
わかりやすいな、秀樹は……」



「いないって!」



二人は寝るまで話し出していた。