写真を見ながら昔を思い出していた秀樹の隣には、いつの間にか、小さな子供が立ったまま写真を見ていた。



「あー! パパが無断で女の子の写真を見てる!
ママに言っちゃおー!」



「優也! これはなぁ……」



秀樹が言いかけるのも無視して、優也は大声で叫んでいた。



「ママー! ちょっと来てー!
早く早くー!
パパが浮気してるー!」



「こらっ、優也……浮気って……」



「なになにー。騒がしいわね。
二人で何を話してたの?
パパがどうしたって?」



「見て! ママー! この写真!
パパがね、ずっと見てたんだよ!」



優也は、秀樹から写真を奪い母親に見せていた。



「ね! 女の子の写真を見てたんだよ!
パパは! 怒ってあげて!
晩ごはん抜きにしてあげたら?」



「あは。 優也は初めて見るんだね、この写真を。
この写真の女の子はね、ママの小さい頃だよ」