カッパァ華

「秀くんは、なんで恐くないんや……
普通あんなん見たら、ビビるやろ……」



とおるが武志の後をジワジワと追いかけながら、呟いていた。



「なんでて……カッパァがなにか悪さしたわけちゃうやろ?
お前、なんかされたんか?
なんで悪さもしてへんのに、敵みたいに怖がって対応しやなあかんねん!」



「それはそうやけど……でもカッパが追いかけて来たらどうすんねん……」



「なんで自分が怖いと思ったのは、敵にしてしまうねん!
カッパァが可哀想や!」



とおると武志は、既に入口まで戻っていた。



「はぁ……」



頭を掻きながらゆっくり呟き、秀樹も二人の後を追っていった。