3人が探索を開始しだしてから二時間もすると、辺りは完全に闇に包まれ、月がうっすらと顔を覗かし出す。



「秀樹。もう暗くなってしまった。
そろそろ帰らないとな……
信じよう……河童様を。
河童様が生きていることを」



「秀くん……わたしも信じてるから。
カッパさんはどこかに避難したんだっていうことを。
こんなに秀くんが想ってるんだもん。
きっと願いが届いてるよ! カッパさんには!」



「俺……引っ越しても、ずっとずっとカッパァを呼び続けるから……
毎日、カッパァを呼ぶから!
また会えるって、信じてるから!」




月夜に映し出された3つの影は、小さな命がまだ鼓動していることを信じ、河童山からゆっくりと消えていった。