「カッパァ! どこだ! カッパァ!」



秀樹は、草木の焼け焦げ変わり果てた山
を走り回り、叫んでいた。



「カッパさーん! カッパさんどこにいてるの!」



ゆいもまた、大きな声で河童に呼び掛け
ていた。



しかし、山中には河童の姿どころか生き
物の気配が、まったくすることはなかっ
た。



「どこ行ったんだよ……カッパァ……」



秀樹はがっくりと肩を落とし、地面に座
り込んでいた。


「秀くん……きっと生きてるよ!カッパさ
んは! だってこんなに探しても見付からないんだから!」



「そうだよな……カッパァは生きてる!
俺、そう信じる!」



3人はこの日も、暗くなるまで懸命に河
童を探していた。