「おとん……カッパァどこにいるんやろ。
きっと……生きてるよな……?
どっかに隠れて生きてるんだよな?
大丈夫だよな……
あいつら強いもんな……
なぁ……大丈夫だよな……」



政吉は何も言わず、秀樹の肩を抱いていた。



二人はそのまま周りを確認し、あの穴へと自然と二人の足は進んでいた。



以前行った時には、草木が生い茂り、着くまでには時間のかかった道も、今では何もなくなった道に変わってしまい、到着までに時間は費やさなかった。



「カッパァ華もなくなっとる……」



秀樹が寂しげな表情を浮かべポツリと呟いていた。



そして、秀樹は穴のあった場所を見つけると、勢いよく走り出していたのだ。