カッパァ華

政吉はそのまま自分の部屋に戻って行っていた。



そして、食事もする気分にはならず、風呂にだけ一人で入るとすぐに、布団でずっと横になっていた。



「カッパァ……なんでおまえ……なんで」



布団の中では、一人呟く政吉の姿があった。




部屋に政吉がいるのを確認すると、父親は懐中電灯を手に取り、静かに家を出ていった。



「河童様。息子を助けてくれて、ありがとうございます」



自宅から出た父親は、河童山の池の前で話しかけていたのだ。



そして、政吉の言う【手】を、乱れて荒れていた地面の方向から見付けると、柔らかく布に包み込んだ。



「このご恩は一生涯わすれませんから」



そう言うと、父親は静かに池を後にしていた。