〈ごめんごめん!連れてきたよ〉
〈お じゃ ま し ま す〉
ホッとするような声。まだ残る期待に顔を上げると・・・
そこに立っていたのは今度こそ[黒T]だった。
「え!!え??え!あっいえ!?どぞ?????」
出だしは微妙だった。
実際こんなもんだ。
あたしの大人セクシ-大作戦は出だし3秒で終わった。
となりではゆっこが『やったね杏!!!』とでも言いたそうな笑みをこちらに向けていた。
あたしはなんとなくそれを表に出すのが恥ずかしくてはにかんで見せた。
〈はじめまして。いきなりごめんね、こいつが。あ、俺はたくまって言います。〉
黒Tはたくまって言うんだ・・・。
〈俺、りょう。〉
黒友は…りょう。
『私ゆっこ!こっちが杏だよー!』
あたしは心の中で花畑でスキップしながら大ジャンプを披露していた。
来た。来た。来たよ。あたしの中での少女漫画展開が。
ありがとう神様・・・・!!
「かんぱーーーーーい!!!」