初めて人を好きになったのは幼稚園生の頃だった。

なんと相手は「同性」の子。
男の子みたいに駆け回ったりする事が大好きでよく笑う子だった。

-同じ女の子を好きになるなんてあたしって変なのかな-

幼いながらにそんな悩みを持っていたあたし。
そんなあたしも今じゃ23歳になり、異性を意識する女へと成長した。



[きゃーーーーー!!!見て!かけるくんよ!!]

【今日も素敵よねー】

一枚一枚ページをめくる。
ソファに寝転び色気のないジャージ姿で買ってきたばかりの少女漫画を読む。


「あー出た出た。超絶イケメンが友達すらまともにいない女に惚れて恋に発展系の漫画…」

ついつい言葉が漏れる。
適当にチョイスした少女漫画が、あたしのだいっきらいな設定だったからだ。


少女漫画であたしが嫌いな設定がある。

一つ、超もてもて学園のアイドルがなぜか普通の女に惚れ超一途になり、その途端女を狙うライバル等が出てきたりして彼が「こいつは俺のものだ!!」とかそういう類。

一つ、たまたまなにかで接触した超絶かっこいい人が転校生、新しい職場の上司等でそこから即恋に発展とかそういう類。

一つ、失恋直後に現るこれまた超絶イケメンが傷を癒してくれみるみるうちにはまってく類。

など あげようとしたらキリがないくらい。