奏音は、不治の心臓病をもっていた。

 「私はいつ死んでもおかしくない身体なの。」

 中学校に入学した時、奏音が言っていた。私の病気は治らないのだ、と。

 小学校の頃から、奏音は体育の授業の時、ずっと見学だった。

 昔から不思議に思っていた。

 実は、サボっているのではないかと考えたこともあった。

 けれど私はその言葉を聴いた時、深く反省した。

 奏音、疑ってごめんなさい。