奏音は14歳だった。

 奏音の特技はピアノだった。とても優しくて、繊細で・・・。私はそんな奏音のピアノの音色が大好きだった。
 
 奏音はいつも
「ピアニストになりたい!」と言っていた。
「もっと、いろんなコンクールに出て、たくさんの人に私の演奏を聴いてほしい」と。

 私は、心から奏音の夢を応援していた。

 大きなホールで奏音のピアノを聴けるのを、楽しみにしていた。

 それが、私の夢だった。



 ・・・なのに、その2人の夢は、もう叶わないなんて・・・