みどり荘の住人


あの後、絹さんは

『じゃ、瑞希ちゃん、光と夕飯の買い物行ってきて』


と言った。



……たしかに、私は何でもやります、って言ったけど……。



その後絹さんは、付け足してこうも言った。



『あ、そういえば、瑞希ちゃん服とか必要なもの持ってないでしょ?それもついでに買っておいで』



そう言ってお金を渡してくれた絹さん。


私はもちろん遠慮したけど、何故か光くんがそのお金を持って私を引っ張ってここまで来た。







「……ずき、瑞希?」



私は光くんの声にハッとなった。


いかん、ついつい深く考えてしまった。




「疲れた?」



と、光くんはかがんで、私の顔を覗き込んだ。




「う、ううん。大丈夫」




……近い。




「……そう?顔赤い」




そう言って光くんはわざとかなんか知らないけど、さらに顔を近づけてくる。