みどり荘の住人




「えっと……、だからその、親は内緒でして……」



私は少し迷ってから、こう切り出した。




「……少しの間でいいんで、しばらく私をここに泊めてもらえませんか?」




行く当てもないし、絶対帰りたくない。



それなら、ここは一般のお家だろうから、お父さんが探し出しにくい。



少しでも見つからずにすむように、どうにかしなくては。




絹さんと、光くんはお互いに顔を見合わせていた。




「あ、お金、はないんですけど……。なんでもしますから!」



私は二人を見て必死でお願いした。