みどり荘の住人



「絹さん、二皿目完食」


光くんは、食堂の奥にある台所にいた人に声をかけた。



「あらまあ。すごい子ねえ」



振り返った、絹さん、という人は、ふっくりした体つきに白い割烹着を着て、白い三角巾を頭につけて、本当に食堂のおばちゃんって感じの女性だった。



「あ、唐揚げ、ありがとうございました。とっても美味しかったです」


私はぺこりと頭を下げた。



「あらまあ。いいのよ。体調は大丈夫なの?」



絹さんは私を見るとニッコリ笑って言った。



「はい。着替えもしていただいたみたいで……。本当にありがとうございました」



私も軽く笑って答えた。