みどり荘の住人



私はもくもくと唐揚げを食べ続け、ついに二皿目も完食してしまった。



「……食べたね」


光くんはその間もじっと頬杖をついて私を見ていた。



「……ごちそうさまでした」


私はまたぺこりと頭を下げた。



「ん。じゃあ、絹さんのとこに行こう。唐揚げのお礼言いたいでしょ」



光くんがからになった皿を持って立ち上がり、そう言った。



あ、ほんとだ。


こんなに食べてしまって、申し訳ない。




私も光くんの後について部屋を出て行った。




部屋を出ると、長い廊下みたいになっていて、所謂昔ながらの宿みたいな感じだった。



光くんの部屋から二部屋くらい離れたところまでつくと、そこには、食堂があった。



光くんは提げてあったのれんをくぐって食堂の中へ入って行った。