みどり荘の住人




私は一人で納得して、頷きながら人参を手に取った。


あ、佑くんがあんまりここに帰ってこないっていうのは、俳優のお仕事で撮影とかに行ったりしてるからかな。



なるほど。


いろんな謎が解けた気がする。




そして私はまた慣れない手つきで人参の皮をピーラーで剥き始めた。



「……あんた、何も言わないの」



と、突然佑くんが私を見て言った。



「え?」



……なんか、言うべきだった?


俳優のお仕事、お疲れ、とか?



「いや、普通もっと驚くんじゃない?」



佑くんは変なものを見るように私を見た。


……そ、そっか。

驚くのか。

そんなもんだよね、普通の女の子は。



「や、いや、お、驚いたよ。うん。えっと、お仕事お疲れ様です」



私は思わず焦りながら嘘をついた。


普通の女の子の反応を……。





「……嘘、下手くそ」