「じゃ、今度こそ、絹さんのおいしいご飯、食べに行こ」



また歩き出す光くん。



私は頷いて、その背中について行った。




……お父さんと向き合う時。



そのとき、私はどうしてるんだろう。



どんな結果になるのかな。



やっぱりフランスに行かなくちゃいけなくなるだろうか。



でも、いつかは絶対向き合わなければいけない。



それは分かっていることだから。




とりあえず今は、精一杯抵抗しよう。




私は再びそう決心して、少し古くなった建物、みどり荘を見上げた。