夏休みが明け、
先輩の大学進学が決まった、秋。
あの日から、先輩は少しずつ愛ちゃんの話をしてくれるようになった。
きっと、彼の中の大きな苦しみは、
少しずつ消化、されているのだと思うと、
嬉しくてたまらなかった。
この人が、幸せになればいいなと思う。
たくさん苦しんだ分、
たくさんの幸せが降り注げばな、と思う。
そして幸せにしたいとも思う。
私が、この人を、この人の、幸せを作ってあげたい。
バカな考えかもしれない。
軽々しい、考えかもしれない。
それでも、私がこの人の幸せを作りたいんだ。
欲を出せば、この人の幸せのカタチになりたい。

