「まだ小さくて、これからだって言うのに、愛のすべてを俺が奪った。辛くて悲しくて痛くて、地獄を見ながら、愛は死んでいったんだ。そういって、病院にあった花瓶を割って、破片で首を切ろうとした。」
耳を塞ぎたくなる。目を閉ざしたくなる。
「親父に殴られた。初めて。『悪いのはお前じゃない。そんな思い込み、するんじゃねぇよ。俺と母さんを残して、死ぬな』そう言われてさ。」
そうだよ、そうなんだよ。悪いのは、あなたじゃない。
なのにどうして、まだ罪を背負っているの。
「死ねなかったんだよ。急に怖くなった。そんなこと言われたら、許してもらいたいと思ってしまう。許されていいはずがないのに、許されたくなる。」

