先輩と私



やっと、私の声が先輩の耳に届く。


堪えるように、でも堪えきれずに流していた涙を、


やっと自分の意志で、解放した。





事情なんてほとんど分からない。


この人の、大事な人の命日で。

きっとこの日は毎年雨で。

自分に負い目を感じている。


そんな事しか分からない。



でも、誰かを想って流す涙はこんなに綺麗なんだと、



私を苦しいくらい、力強く抱きしめながら泣く先輩を見て、


初めて思い知る。