10歳離れた近所の優しいお兄ちゃん。

川崎 祐樹 カワサキ ユウキ は、この学校の教師をしている。


一人っ子だった祐兄は、私を妹として扱ってくれて、

私の事が大好きな、シスコンみたいなもので。




「祐にぃ~屋上の鍵ちょーだい?」




そう、少し可愛く言えば鍵を渡してくれた。ちょろい。


合鍵を作った私は、昼休みはずっと屋上にいるのだ。




「菜々~」




屋上のドアが開く音がして、私の名前を呼ぶ声。


もちろん友達はいないから、祐兄だ。