言い過ぎた、と思った。 あの人には何かの事情というものがあったのかも、と。 授業開始して5分。 お経のような声で授業を進めるおばちゃんに、気分が悪いからと言い教室を飛び出た。 バンッと屋上のドアを開けると、寝そべった先輩がまだ居て、 驚いて私を見ている。 「すみません、さっき言い過ぎたなって思って。」 「それ言いにわざわざ戻って来てくれたんだ」 なんて優しく笑った。この人こんな風に笑えるんだと。