余裕で待ち合わせ場所についた。

三十分経っても来ない。

社会人はお仕事があるから結構遅刻されることが多いから気にしないけど。

「佐原さんは連絡くれたりしたんだけど」

珍しいこともあるなー。

近くのカフェでも、入ろう。

まだ長時間外にいるには寒い季節。



一時間経っても連絡なし。

「佐原さん生きてるかな?」

~♪~♪~♪

佐原さんから電話。

「ごめん。由佳。バレた。」

「え?」

まとめると、私と付き合ってることが婚約者にバレたらしい佐原さん。婚約者が私に会わせろと言っていて収集がつかなくなってるから、会ってもいいかの確認だった。

「憂鬱。胃が痛い。」

あとからの佐原さんからのメールで余計に憂鬱だ。

"美耶、気性荒いから気を付けて”

気性荒いって、どういうことだよー。怖いよー。

あと10分くらいでくるらしいが、帰りたい。非常に帰りたい。

帰ってもいいかなぁ。


カランカラン

「美耶、落ち着けって」

来た、来た、キター

「ごめん。由佳。待たせたね。」

「あぁ大丈夫、です。」

頑張れ、由佳!これを乗り越えろ!

「初めまして。婚約者の美耶です。」

「初めまして。」

俯いた顔をあげた。
気性荒いって言ってたけど全然そんな感じじゃなくて育ちのいいお嬢様って感じだった。

「で、説明してくれる?由佳さん?」

「あ、佐原さんとはお食事をする仲で……」

「嘘つかないでちょうだい?ホテルに行ってたんでしょう?」

「いやでも、その「え?まさかヤってないとかいうの?」

「いや、まぁその……」

「はっきりしてよ!!私はね、遼さんと将来を約束したの!全部知りたいのよ?」
目尻を吊り上げてテーブルをバンッと叩く。

……前言撤回!怖い!気性荒い!
仕方ないこうなったら腹くくるぞー!

「私、佐原さんとは合コンで出会いました。もちろん、婚約者が居るって知ってましたし。私も本彼が居るのでお互い遊びで」

まぁ本彼なんていませんがね。

「信じてくれた?」

今まで黙っていた佐原さんが口を開く。

「そ、そうね。」

佐原さんが落ち着いているおかげで婚約者も落ち着くしかないし納得しない訳にも行かないのだろう。

「ごめんなさい、例えお互い遊びでっていっても貴女を傷つけてしまうことを忘れていました。」

「あなたも遼さんも最低ね。」

「ごめんね、由佳ちゃん。ここは払うから帰っていいよ。」

優しく佐原さんが言ってくれたから、もう2度と会えないけど嬉しかった。

「じゃ、じゃあ、これで。」

カランカラン

余計なことに巻き込まれた。疲れた。

佐原さんが奢ってくれるならもうちょい高いの頼めばよかった。




火曜日も空いちゃったなぁ。あぁ合コン参加しよーっと今度はフリーの人にしよう。