月花+ゲッカ+



本当に照れ屋なんだ。


「じゃあさっきの質問の答えにいきましょうか」


秋月先輩が口を開いて、俺はゴクリと息を飲む。


「新生徒会とは生徒会を支えるために七年前に作られた組織よ。生徒会の手の回らない雑用が主ね。表向きには」


「表向き…?」


その意味深な言葉を俺は尋ねた。


秋月先輩が作ったように笑顔を見せる。


「表向きってことは、生徒会の人間も学園の人間も、教師も顧問を除いては知らない秘密があるってこと」


「その秘密になんで俺たちを?」


秋月先輩を睨み付けながら、唯がきいた。


俺の腕にしがみついてる律の頭を軽く撫でて、俺も秋月先輩を見る。


「そんなこわい顔しないでよ。あなたたちを選んだのは顧問の咲元(サキモト)先生なんだから」


咲元…?


珍しい名字だから覚えてる。


俺たちが入試のときに会った先生だ。


でもなんでその先生が俺たちを…?


「あなたたちのことは、みんな咲元先生からきいてるわ。お願い、新生徒会に入って下さい。お願いします」


先輩たちに頭を下げられて、俺たちは顔を見合わせる。