先輩たちも近くにあった椅子に座る。
「新生徒会へようこそ。会長の秋月聖香(アキヅキセイカ)です」
俺たちの正面に座った黒髪の女の先輩が言った。
「あの…新生徒会ってなんですか?普通の生徒会とは違うんですか?」
また疑問に思ってたことを唯がきく。
俺を挟んで反対に座る律はテーブルに置かれたグラスに手を伸ばす。
「とりあえず、自己紹介が先でもいいかしら?」
秋月先輩は柔らかく笑って、茶髪の男の先輩を見る。
俺も唯も同じ方を見た。
律もグラスに口をつけたまま、体ごと向きを変える。
「あ~、俺から?土田尚之(ツチダナオユキ)でーす。ツッチー先輩って呼んでね~」
なんか軽そうな人だなぁ…。
「次アタシ?桜野れい(サクラノレイ)です。副会長やってます」
小さい女の先輩が一礼して言う。
残すは黒髪の男の先輩だけ。
俺たちがジィーッと見ていると、その先輩は右手で口元を隠した。
「ごめんなさいね。この子照れ屋なの。ほら千歳くん!」
「…千歳明良(チトセアキラ)です」
秋月先輩に言われて、千歳先輩は名前だけ言って目をそらす。


