月花+ゲッカ+



もう一人の小さい女の先輩が言う。


身長は律よりも少し高いくらい。


「とりあえず、ここは目立つわ。場所を変えましょう」


また黒髪の先輩に言われて、俺たちは4人についていくことになった。


教室の並ぶ広い廊下を通って、人気のない棟へと案内される。


さっきから男の先輩たちは一言も喋らない。


「さぁ、ここよ」


案内された部屋の戸の上には『新生徒会』と書かれた札が掛けてある。


新生徒会?


わけがわかんなくて、黒髪の女の先輩を見る。


「詳しいことは中で説明するわ」


ニコリとして先輩たちは中に入ってく。


俺たちもあとについて中に入る。


部屋の中は思ったよりも広かった。


キチンと掃除もされてるみたいで、埃っぽさもない。


壁には写真が貼ってあって、ガクの下に一~五代目って書いてある。


白いソファーに黒いテーブル。


大きな窓には赤いカーテンが付けられてる。


「まぁ座って」


テーブルの上に、オレンジ色の液体が入ったグラスを置きながら、黒髪の先輩が言った。


抵抗はあったものの、断るわけにもいかず俺たちはソファーに腰掛ける。