月花+ゲッカ+



唯の言葉に俺はため息をつく。


律があんなだと、俺も調子狂うなぁ…。


「なんかさ、壁作られたみたいで寂しいんだけど」


唯は俺の背中を一回叩いて


「しょうがねぇよ、年頃なんだから」


とだけ言い残して、部屋を出ていった。


俺も急いで制服に着替える。


慣れないネクタイはカバンにしまい込んだ。


カバン片手に階段を駆け下り、キッチンに顔を出す。


両親に「いってきます」を言って、玄関に向かう。


律と唯はもうクツを履き替えて待っていた。


「嵐遅い!」


律は頬をふくらませて怒ってる。


俺は「わりぃ」と一言言って、カバンからネクタイを取り出した。


「唯!ネクタイやって!」


唯は呆れた顔しながらもネクタイを結んでくれる。


「早く行こ!」


律に急かされて、俺たちは慌ただしく家を出た。


朝飯抜きかぁ…。


今日もつかな?


カバンを肩に掛けて、傘を持つのと反対の手でお腹をさする。


「なに?腹減ったの?」


さすが唯とか思いながらきかれたことに頷いた。


「ふふふ」と律が不適に笑う。


「しょうがないなぁ。じゃっじゃじゃ~ん!」