「葵。光くん、学校来てる?」



「え?…来てないよ」



ソファに腰掛けると、台所にいるお母さんがこちらを見ずに聞いて来た。



「…本当なのね」



「…なにが?」



「…光くん、ちょっと前に交通事故に遭ったみたいなの」



「え…?」



いつ?
どこで?
どんな?



一気に疑問が生まれる。
同時に、鼓動が速くなる。



「大阪にいるお父さんに呼ばれて、帰る途中に…」



え?
それならなんで無断欠席?



「それ…嘘だよ…」



「どうして?」



だって…。



「無断欠席だし、誰もなにも聞いてないし、SNSもやめてる…」