放課後。



「マコちゃん。ごめんね。付いて来てもらってばっかで」



一緒に帰るついでに光の家に付いて来てもらった。



「ぜーんぜん構わないよっ!」



「ありがとう」



マコちゃんは変態だけど優しい。
段々女の子と一緒にいるような気分になるくらい、あたしの中でマコちゃんは女の子として認識され始めている。


まぁいいか。



ピーンポーン



「1回で出たことは今までで1度もない」



ピーンポーン
ピーンポーン



マコちゃんはインターホンを連打する。


その横で緊張するあたし。
連打したことは止めない。

あたしも連打したくなることがあるから。



…ガチャ



「ふぁあ…なんすかねぇ」



あくびをしながらゆっくりと出て来たのは。




「優輝さん…」



「誰?」



マコちゃんが優輝さんを指差す。


「指差さないの。光の大阪の友達」



「ほぉ」



「光ならいないよ。今大阪」



「えっ」



「人のプライバシーに突っ込むなって。じゃ、眠いから」



「ちょっと!なんで優輝さんがここにいるの!?なんで光は大阪にいるの?いつ帰ってくるの?」



「全部知らない。自分で考えてみれば。ふぁあ…おやすみ」



「ちょっと…」



大きなあくびをするもんだから、意気消沈して閉まるドアを見つめることしかできなかった。